HOME | 家づくりの知恵 | 無垢フローリングの話

 無垢フローリングの話

 
土地探しに引き続き解体の時に起こった問題を紹介する予定でしたが、工事の進捗に合わせた紹介方法では飽きてしまうような気がしたので、今回はフローリングについて紹介したいと思います。
 
手造りの住まいだから採用できるのが無垢のフローリングです。
『古和釜の家』ではI社の無垢のチークとナラを採用しましたが、独立後しばらくは無垢のフローリングの他、合板に単板(厚さ2、3mmの無垢板)が張ってあるフローリングを採用していました。
2種類を使い分けていた一番の理由は『無垢のフローリングは伸び縮みする』ためです。住んでから「隙間が嫌だ」となってしまうと、一番困るのは住み続ける依頼主です。隙間が空くことよりも無垢ならではの良さに魅力を感じていただかなければ採用は出来ません。そのためには依頼主に見学会などで体験し、理解してもらう必要があります。
 
ちょっと話が戻りますが、小生が無垢のフローリングだけ(例外もありますが)を採用するようになったエピソードを紹介したいと思います。
ある現場で合板に単板が張ってあるフローリングを使用しているにも関わらず、床暖房を使用した際にフローリングに隙間が空いたのです。メーカーに確認したところ「伸縮しにくいものの、全くしないということではありません。」というものでした。
技術的な話は割愛しますが、程度の違いはあれ伸び縮みするのであれば無垢のフローリングでも良いですよね。早速ショールームを廻り、求めやすい価格・種類の豊富さから5社のフローリングのサンプルを取り寄せました。
サンプルは実際の施工方法と同じように根太にボンドと釘で固定し、ホットカーペットで加温しました。床暖房用に特に乾燥させたもの、通常のもの・・・結果はどれも伸び縮しほとんど差はありませんでした。
結果、小生の事務所ではメンテナンスにも応じ、樹種も多く、また同じ樹種でも高価なものから安価な物まで揃えているI社の無垢フローリングを採用し続けています。
 
設計仲間5人で造る『ケンチクふらっと』の勉強会で、各事務所が採用している建材を持ち寄ったことがありました。5人共違う商社、メーカーのフローリングを採用していました。理由は「何度も使っていて安心、風合いが好き」等でしたが、共通するのは『無垢のフローリング』でした。
皆、無垢のフローリングの長所(風合い、手触り、健康的な素材、耐久性)、短所(合板フローリングに比べて若干高い、伸び縮みがある)を説明した上で採用しているようです。

次回は、フローリングの種類などについてお話します。
 
2016.07.22